2012年7月10日火曜日

和と個

「小さなお米がいっぱい集まって大きなお餅になりました。
お餅は、さらに大きくなって空へとのぼっていきました。」

 農家の家倉さんから聞いたお餅のお話は、
とても原始的だけどぼくのなかにあるだろう古い夢にも思えます。

 農業が「和」であり、アートは「個」である。
すこし乱暴な言い方かもしれませんが、僕はこう感じています。 

自分が興味を持ち、好きなものを探り、それらを好きになる個性とは何か、自分とは何か、、深く自分を知るというアートが持つ本来の意味。

 和と、個がまったく正反対の行程の旅を続けながら、やがて同じ場所へと、、個が他を思いやり、他が個を思いやる、魂の世界。そこに気づく為にこの心と体はぼくを旅させるのでしょう。 

東は東 西は西 この2つは交わるべく 東は西 西は東 最後までそいとげよう。
 ジョンレノンとオノヨーコの歌、「きみはいつもここに」

 農業とアート、東と西、和と個。
それはそれは大きなお餅にぼくは喜んで交わる時がくるのです。

2012年7月6日金曜日

農家アート祭in江戸

浅草という街にぼくは不思議と縁があるようです。

 今「農家アート祭in江戸」というイベントが浅草国際通りにあるたい焼き屋「浪速家」が開催されていて、そこに作家として参加しています。

 この農家アート祭は、大阪ディグミーアウトカフェと滋賀県の若手農家集団コネファとの共同企画のイベントで、アーティストが農家とコミットして作品を作り発表しています。


今回の作家は、近年滋賀県の農村やコネファを撮り続ける写真家のMOTOKOさん、写真家の桑島薫さん、栃木県で農業をしながら写真を撮る田中潔さん、イラストレーターのdannyちゃん、そしてぼくとなっています。


 ぼくは「どじょうおじさん」という絵本を描いてみました。農家の家倉さんから聞いた話を元にして、1匹のどじょうが田んぼの異変に気づき主人公の農家に、以前のような生き物が住める田んぼへと変えて欲しいと願う、、お話しにしました。 この展示は、農業を通して今が見えてくる作品展になっています。作家はあたえられたテーマを鏡にして今の自分をどこかに現し、それが今の世も現してゆくものだと思います。そのなかでぼくが担当するのは「ほぐして、やわらかく見せる」大臣かな、と思っています。ちょいと難しいテーマを、かみくだき、ほぐし、やわらかくしたイメージのもの、、を作りたいと思います。

 命が宿る場所は柔らかく、おおらかで、人の力だけではコントロールできないものでしょう。人の力だけでどうにかしようとすると、だいたいのものがバランスを崩します。そこを自覚しながら、技術と自然とのバランスをどうとっていくのかが問われてきているように感じます。

 さて、今週末7、8日両日、浅草浪速家にて栃木県の野菜、滋賀県のお米などが集まるマルシェが開かれます。そして7日の午後7時から農家の田中さんと家倉さんのトークショー、そして8日は午後4時から編集者の畑中彰宏さんをお呼びして「農と祭」についてのトークショーで、ぼくは司会をさせてもらいます。参加費は1000円ですが、7日はおにぎり、8日はコラボたいやきもついています。是非遊びにいらしてくださいね。