2012年4月12日木曜日

百歳

現在浅草での「奥山風景」というお祭りに参加させてもらっています。江戸の長屋を思わせる小屋が立ち並び、その中の「百歳屋(ももとせや)」と名付けられている場所で切り絵や紙もの雑貨を販売しています。晴れた日にはたくさんの人が来場して賑わいます。 


通りを挟んだところにはてんぷら屋さんが出店をして、お昼時にはたくさんの人が縁台に座って食事をしているのが見えますが、今日は雨でお客さんもまばらです。暇だったので雨と天ぷら屋をぼ~っと眺めていました。二百年前の江戸の町、こんな日にはぼ~っと雨を眺めていた人も今よりはたくさんいただろうと思います。 

東京にきてから上の世代の人と知り合う機会が増えてきました。関西では横のつながりがほとんどでしたから余計そう感じるのでしょう。この「百歳屋」という名前の由来は「親子3代が伝承していく職人の知恵と技、その知恵と技から創られたものは百年間は使える」という精神からつけられました。 

浅草は有名な観光地ですから外国の人も多く、昨日は外国人家族5人まとめて切らせてもらいました。ハサミさばきを魔法でも見るかのようにえらく驚いてたくさん写真を撮っていました。親子の切り絵をするのはおもしろいです。血のつながりは嘘をつかないやと思います。過去から未来へ…技も知恵も血も流れていきます。 

「チャンキーさんの切り絵芸は誰かから教わったものではないんでしょ?」 

隣に座っているさしもの職人の渡辺さんからこう尋ねられました。直接の師匠がいないのは確かなのですが、でもなんらかの力、それは師匠とかの存在ではないけれど、ある日上のほうから降りてきたように感じているのです。それはボクを見守ってくれている存在からだと思っています。 

まあ~まあ~とりあえず、百年やら二百年やら、そんな時間軸の川の岸辺をふらり散歩してみようかなと思っています。