2012年4月4日水曜日

ひとつ屋根の下で



ボクが1年前から住んでいるここ西荻マンションは、3階建てに住民9家族が住んでいます。マンションといっても築40年以上と年季がはいっていますが、小さな庭には桜の樹があったり、駅から徒歩7分と立地条件も良いとこです。初めて見た時に「ここなら住めるかな」と思い、契約したことをおぼえています。

ボクが2階の部屋を借りたその少しあと、一階にはカップルが入居したようでした。カップルの男性が音楽家で、ボクらの寝室の下をスタジオにして音をかなでていました。去年の夏ごろから少し話しをするようになって、このごろはお互い部屋を行き来する仲になっています。彼のあだ名は「ポール」。ポールスミスが好きだったことからそのニックネームとなったようです。

「大家さんとバンドを組んじゃった」

西荻マンションの大家さんは鍼灸院を経営しながら、なにやら屋上にソーラーシステムを設置し電気を作っていることを教えてくれたのがポールでした。他にソーラークッカーという手づくりの装置で太陽熱を利用してお湯を沸かし、そのお湯でコーヒーを飲んでいる、、これは素晴らしいとボクもそのモーニングコーヒー仲間に入れてもらいました。

平日の昼間に男3人集まって、お湯を沸かし、コーヒーを飲んだり、どんべえを食べたり、焼き芋を焼いたり(焼くのに1時間かかりますが)そんな平和な景色を是非唄にのこしてみようと3人で制作しました。

なんともゆるい世界ではありますが、同じ屋根の下で暮らしもの同士で唄を作るなんて珍しいかと思います。ユニット名はわかりやすく「ひとつ屋根の下」。かのビートルズはおおやけの場での最後の演奏がロンドンのビル屋上でした。そしてボクらは西荻の屋上から始めたいと思います。

「ひとつ屋根の上で大家さんといっしょに」

世代もバラバラな3人がひとつ屋根の下で暮らし、屋根の上で唄う。ちょっとばかしおかしいけど、案外、これからの世には必要になってくる気がするんだなあ。あてもなく、意味も求めず、ここで生まれるもの。そうやって「楽しむ」時間がきっと大事になってくると思うのです。では聞いてください。

ひとつ屋根の下のデビュー曲「ひとつ屋根の上から」。