2012年4月3日火曜日

今はこの道を

夜になって用水路の脇をかるくランニングしました。下を覗き込むと水草が水の流れにそってゆらゆらして、そばで鴨が2羽並んでおよいでいました。 


西荻の夜道を走りながら、もしこの道のむこうが大阪城になっていてもボクはそない驚きもせず、以前のように城を一周し、桜の樹やビルの灯りを眺めて走っていると思います。 

根の張っていない浮き草のような暮らしだからでしょうか。西荻に浅草、渋谷の雑踏を歩いていても、大阪の中崎町や谷町六丁目や新町を歩いていても「今はこの道の上を歩いているだけ」と思うのです。 

「おかめ列車の旅」展示の最終日。外は大雨に強風、春の大嵐でした。夜、搬出して帰宅するといぬんこは倒れるように寝てしまいました。翌日もなんだかボーッと過ごしていました。イベント後はいつも頭のネジが数本ぬけていて、その抜けた穴からすうすうと空気がもれているような気持ちになります。 

翌日、部屋は戻ってきた展示物でいっぱいになりました。昨日までの熱がそこにはのこっています。荷物をほどいて少し整理しました。大きなタコのぬいぐるみが半眼でキッチンのテーブルにもたれています。まだ自分の居場所がわかっていないのか落ち着きがありません。 

ゆうべは近くの銭湯で熱い湯につかっておりました。お風呂からあがり待ち合い室でいぬんこが「さっき地震があったでしょ」と言うのですが、ボクは全く気がつきませんでした。地震のことに敏感になっているいぬんこを見ていると、自分が鈍感なことに気付かされます。いつ地震がおきてもおかしくない…確かにいろいろと聞かされるので頭では理解しているように思うのですが、どうも肌には感じてこないのです。 

ボクがフワフワしている時、どこかではじっと動かないで重しになっているものがあるのでしょう。でなければ世界は不安定ですもんね。命あるものはバラバラに歩みながら、今という同じ時を過ごしている…そう思うとボクはアホみたく安心して眠れるのです。