2011年8月21日日曜日

島の旅


お盆には瀬戸内海の豊島へ紙切り似顔絵をしに行きました。

ボクのおじいちゃんは発明家でした。全盛期は高松や徳島に大きな土地を持つお金持ちだったのです。若い頃のおやじや従兄弟のにいちゃんはそれは贅沢をしたと話していましたが、ボクにはそんな金持ちの恩恵など味わさせてはくれませんでした。

瀬戸内海の直島に浮かんでいる赤い色の灯台はおじいちゃんが若い頃に創ったんだと初めて聞かされました。

瀬戸内海に浮かぶ島、、豊島の夜のこと。商店のおばさん二人と立ち話をしながら、ふと空を見上げるとオレンジ色の丸い月が昇っていました。まるで夜空に太陽が浮かんでいるようにも見えました。

珍しい月ですね。

いや~このへんじゃ普通だよ。

都会ではこんなオレンジ色の月はなかなか見ることがないよ。

ふ~ん。そうなの~。


ボクらが宿泊した場所にはいろんな所からやってきた旅人でいっぱいでした。初対面でしたが、話してみるとみなクリエイターばかりでした。なかに建築家が2人もいて、その2人ともが「香川県は文化レベルが高いし、日本の中でも建築物を見るなら香川県だと思います」と話されていました。

翌日のこと。船に乗って宇野港を目指していました。船が直島近辺を進むと見えてきたのは、焦げ茶色になった島でした。2日ほど前にここで大火事があり島の9割を燃やしたのです。

すると前には、小さな赤い灯台が浮かんでいるのが目に入ってきました。

あっ!これかもなあ〜おじいちゃんが創ったやつって。

自分が生まれ、18年間過ごしてきた香川県。でも今頃になって知ることがたくさんあり、再発見しています。しばらくは都会から故郷をながめることになりそうです。

2011年8月3日水曜日

西荻かおあわせ展

ギャラリーオーナー自ら暖簾を作って下さって感激です。とてもお洒落な雑貨ギャラリーにいまだけかかっております。


たまたま入った西荻窪にある「ギャルリーノン」というお店で、少しだけ店主とお話をさせてもらったら、それからしばらくして「ウチで展覧会しませんか?」と連絡をもらい、これもなにかの縁だからとお請けさせていただきました。 

お店の一角のスペースの壁と棚にはボクの似顔切り絵といぬんこの紙モノ雑貨が並んで、にぎやかな縁日の出店のようです。ボクの切り絵のモデルは西荻の街でお店を営む40人ほどの人たちです。この企画が良かったのでしょう。お店の人の紹介で来ました、、と見にいらしたお客さんが多いのが嬉しいです。 

「東京」が相手だと思うと面倒臭くなりますから、こうして地域の中へ入っていく方がボクには合っているのだと思います。おかげで街に知合いも増えてきました。いろんなお店に知合いができることは生活を楽しくさせます。 

今日は1人の女性の切り絵をさせてもらいました。その人は仕事帰りで疲れているのだと言いました。出来上がった切り絵を見て「似顔絵でたまにある、顔の中で嫌だなと感じる所は表現せずに、嬉しくなるような表現をしてくれて、、ありがとう」と声をかけてくれました。 

顔を似せることは簡単ですが、喜んでもらうには、それなりに相手の何かを読み取ることが必要となります。顔はみなが一番気にかける場所です。顔には大切な何かが表現されているから、みなが興味あるのだと思います。 

じっと見ていると顔は数秒ごとに変化してゆきます。 
静かな顔を切り取りたいと思います。 

青空亭「西荻かおあわせ」展は今週末の7日まで開催しています。土曜日日曜日は終日、ボクが切り似顔絵をしています。土曜日の3時頃にはなんらかのパフォーマンスをします。遊びにきてくださいね。